山形県天童市は、将棋駒の国内生産量日本一で知られる『ものづくり産業都市』です。令和3〜4年(2021〜2022年)には、プライム市場に上場の基盤メーカー、包装機械のメーカー、鋼材の加工工場等が相次いで大規模な用地分譲を決定するなど、多くの企業から選ばれ続けています。今回は天童市経済部産業立地室のご担当者様に、企業誘致の取り組みや天童市の強みについて伺いました。
Interviewee
天童市 経済部産業立地室
室長補佐(兼)企業誘致係長 山本 真広様、企業誘致係 行政主査 山﨑 重吾様
交通の要所が、ビジネスを加速する
ーーまず、天童市への進出を検討する企業様が、立地環境のどんな点を評価されているか教えてください。
山本様:やはり一番大きいのは、交通アクセスの良さです。天童市は山形新幹線の停車駅を有し、さらに空路・道路網も充実しており、陸路・空路・鉄道、三つのアクセス手段が揃っているのは山形県内でも天童市ならではの強みです。山形県内でも交通インフラが特に優れた地域として、企業様から高い評価をいただいています。
山本様:首都圏との距離が近いことは、本社との意思決定をスムーズにするだけでなく、製品の出荷や原材料の調達といった物流面でも大きなメリットになります。
ーー具体的に、どういった場面でそのアクセスの良さが活きていますか?
山﨑様:製造業の企業様ですと、本社との打ち合わせはもちろんですが、取引先の方が工場見学にいらっしゃることも多いんです。「どんな環境でつくっているのか見たい」というニーズは製造業では特に強い。そういった場面で、東京と天童の往来がスムーズなことは大きなメリットになっています。もちろん、製品の出荷や原材料の調達といった物流面でも、交通インフラの充実は欠かせません。企業様にとって『輸送コストや納期の短縮が図れる』という点でも、高く評価していただいています。
災害リスクの低さが、BCP拠点としての信頼を生む
ーー立地環境という点では、災害リスクの少なさも特徴の一つとお聞きしています。
山﨑様:その通りです。山形県は地震保険基準料率の等地区分で最も低い『1等地』に分類されています。過去100年分の震度データを見ると、山形県内での震度5弱以上の地震は11回で、宮城県の51回、福島県の65回と比べても圧倒的に少ないです。天童市自体も、市内を横断するような大きな河川がなく、山間部も少ない地域です。面積的には県内13市の中で最小の市なんですが、平野部が広く、水害にも強い地形になっています。
ーー実際に、水害への懸念をお持ちの企業様もいらっしゃいますか?
山本様:2024年7月の豪雨でも、市内の製造業等への影響はほとんどありませんでした。そういった実績もあって、「工場が災害で止まってしまうリスク」を重視する企業様から選んでいただいているケースは確かにあります。BCPの観点で首都圏から分散させたい、というご相談をいただくことも増えていまして、天童市の安定した立地環境はそういったニーズにも応えられると思っています。
ーー雪の多いイメージもあるかと思いますが、実際はいかがでしょうか。
山﨑様:山形県と聞くと『豪雪地帯』というイメージを持たれる方も多いのですが、天童市は県内でも積雪量が少ない地域なんです。進出された企業の方から「思ったより雪がずっと少なかった」とおっしゃっていただくことも多いですよ(笑)。
企業の成長を後押しする支援制度
ーー市としての支援制度はどのようなものがありますか?
山﨑様:市独自の制度として、以下の支援をご用意しています。また、山形県の制度も併用いただくことで、さらに手厚い支援が受けられます。
市の支援
- 固定資産税:3年間課税免除+2年間税額減免(計5年間)
- 雇用促進事業費補助金:市民新規雇用1名につき最大20万円
県の支援
- 固定資産取得額の5〜20%補助(上限50億円)※投資額3億円以上・雇用10名以上が条件
ーーこの支援制度は、企業様にどう活用されていますか?
山﨑様:工場を稼働させた直後というのは、設備投資をはじめさまざまな費用がかかる時期です。その期間の負担を税制優遇で軽くすることで、スムーズに事業展開していただけるよう支援しています。工場稼働後も、人材確保や地域連携などさまざまな面でサポートさせていただきながら、企業様の事業がさらに発展していただけるよう、引き続き支援してまいります。
『住みよさランキング北海道・東北エリア1位』の魅力
ーー人材の採用・定着という観点では、どのような強みがありますか?
山本様:天童市は『住みよさランキング』で北海道・東北エリア1位(東洋経済新聞社『都市データパック』2022年)を獲得しています。また『街の幸福度・住み続けたい街ランキング2025』(大東建託)の山形県版でも、両部門で1位をいただいています。この背景にあるのが、子育て支援の充実です。
- 高校3年生まで医療費が無料(所得制限なし)
- 認定こども園・認可保育所:30か所、待機児童ゼロ(令和7年4月時点)
- 放課後児童クラブ:30か所
- 第3子以降の保育料無料(所得制限なし)
- 幼児教育・保育の無償化
ーーこういった支援が、企業の採用活動にもつながっているのでしょうか。
山本様:はい。進出いただいた企業様からのアンケートでも「共働きのスタッフが安心して仕事に集中できる」「医療費無料や保育の無償化で家計の負担が減り、仕事のモチベーションが上がっている」といった声をいただいています。山形県は共働き世帯割合が約59.9%で全国2位の高さなんです。女性が安心して働ける環境を整えることは、企業様の雇用戦略にとっても非常に重要だと思っています。
ーー離職率についてはいかがですか?
山﨑様:山形県の離職率は令和4年時点で3.4%と、全国7位・東北1位の低さです。やはり結婚や出産など、生活が変わるタイミングでも、住みよい環境があれば「この地域で働き続けよう」と思っていただけるのだと思います。それが定着率の高さにつながっているのではないでしょうか。
『勤勉で誠実』な人材が、ものづくりの現場を支える
ーー人材の質という面でも、評価の声があるとお聞きしました。
山﨑様:山形県民は『我慢強く真面目で、人情に厚い』という県民性で知られています。これがものづくりの現場で非常に高く評価されています。人口10万人あたりの技能検定合格者数でも、山形県は全国2位・東北1位なんです。長く勤めることで技術が蓄積されて次の世代に継承されていく、そういう好循環があるんだと思います。
ーー実際に、そういった人材の質を実感したエピソードはありますか?
山本様:最近、誘致した企業様で印象深いお話がありました。工場の作業スタッフとして採用した地元の若い方が、研修中から非常に真面目で優秀だったので、途中で生産の管理スタッフとして引き上げて採用されたんです。そういった話を聞くと、「誘致してよかったな」とこちらも嬉しくなりますね。
ーー人材確保について、進出を検討する企業様が不安に感じる点はありますか?
山﨑様:一番多いご質問は『本当に人材が確保できるのか』という点です。天童市は面積こそ山形県内13市で最も小さいものの、人口は県内で5番目に多く、隣接する山形市や東根市なども通勤圏内にあるため、採用エリアは思っている以上に広いんです。また、市としても進出後の企業様の採用活動を、高校訪問や就職面談会の開催などでサポートしています。
豊かな地域文化が、進出企業と地域をつなぐ
ーー進出企業様が、実際に来てみて『想定以上に良かった』とおっしゃる点はありますか?
山本様:やはり地域の豊かさに驚かれることが多いですね。天童市はサクランボやラ・フランスなどフルーツの特産地ですし、『天童温泉』も東北有数の温泉地として知られています。春には『人間将棋』、秋には『天童ラ・フランスマラソン大会』といったイベントもあります。「来てみたら意外と住みやすかった」「おいしいものがいっぱいあった」という声はよくいただきます。
ーー地域との連携という面では、どのような取り組みがありますか?
山﨑様:J2リーグ・モンテディオ山形のホームスタジアムが天童市にあるんですが、進出企業様が企業名を冠した大会を共催したり、イベントのスポンサーになっていただいたりという形で、地域とのつながりが生まれています。市は土地を提供するだけでなく、地域コミュニティと企業をつなぐ橋渡し役も担っていきたいと思っています。
まとめ:未来の企業立地を支える、新たな受け皿づくり
ーー現在の工業団地の状況と、今後の展望を教えてください。
山﨑様:これまで天童市では企業立地の受け皿として市内に8箇所の工業団地を整備してきました。現在は天童インター産業団地まで完売しています。一番新しくできた山口西工業団地も残り一区画となるなど、産業用地への需要は引き続き高い状況です。こうした状況を受け、市では現在、新たな工業団地の整備を進めており、令和10年度の分譲予約開始を目標に整備を推進しています。製造業をはじめ、さまざまな企業から立地に関するお問い合わせもいただいており、今後も企業ニーズに応えられる受け皿づくりを進めていきたいところです。立地をご検討されている企業様には、最新の分譲状況やスケジュールについて、経済部産業立地室までお気軽にお問い合わせいただければと思います。
ーー最後に、進出を検討している企業様へメッセージをお願いします。
山本様・山﨑様:日本全国で工業用地の不足が課題となっている中、天童市としては一日でも早く企業様にご提供できるよう全力で取り組んでいます。人材の確保ができるか不安とおっしゃる企業様も多いのですが、住みよさや子育て支援の充実がその不安を解消できると自負しています。天童市は、フルーツや温泉、将棋駒など魅力あふれるまちです。交通アクセスに優れ、災害が少なく、住環境も良好なこの地を、ぜひ貴社の立地先としてご検討いただけますと幸いです。
天童市観光PR動画 通年編 Youtube
| 自治体名 | 天童市 |
|---|---|
| 役所役場所在地 | 山形県天童市老野森一丁目1番1号 |
| 担当部署 | 経済部 産業立地室 |
| 電話番号 | 023-654-1111 |
| FAX | 023-653-0744 |
| [email protected] |
出典:天童市役所