機能性表示食品制度の改正などを背景に、ヘルスケア企業への問い合わせは厳格な対応が求められるようになり、広告表現への目も厳しくなっています。自社での体制構築や法規制への対応に悩む企業が多い中、医療系有資格者を中心とした専門体制で応えるのが株式会社EPファーマラインです。今回は、コールセンターと資材審査・レビューの2つのサービスを軸に、同社が提供する具体的なソリューションと企業の課題を解決する強みを伺いました。
Interviewee
株式会社EPファーマライン
ドラッグインフォメーション部(コールセンター部門) 星野 岳雄様
ヘルスケア業界を取り巻く市場背景と、EPファーマラインのサービス全体像
業界ガイドラインの見直しに伴う、ヘルスケア企業の「2つの共通課題」
ーーまず、現在のヘルスケア業界の市場背景と、多くの企業様が直面されている課題について教えてください。
星野様:近年、プロモーションや情報提供活動においては、業界ガイドラインや自主規範の見直しが進み、情報の正確性や透明性に対するこれまで以上に厳格な対応が求められるようになりました。
特に、医薬品とサプリメントの飲み合わせや健康被害の初期情報といった、専門的判断を要するケースが増加しており、従来の一般的なコールセンター体制では対応が難しくなってきているのが実情です。
このような中で、ヘルスケア企業様が自社で問い合わせ対応を行う際には、大きく二つの課題が顕在化しています。
- 専門性を担保した体制構築の難しさ
- 適切な対応には、薬剤師や看護師、管理栄養士といった医療系有資格者の確保が重要です。しかし、昨今の採用難やコストの高さに加え、継続的な教育・品質管理体制の構築まで含めると、企業単独での安定運用は容易ではありません。また、有事の際などは突発的に増減するため、人的リソースの最適化(過不足の調整)が難しいという課題もあります。
- 応対品質の維持・均質化の難しさ
- 問い合わせ対応は単なる情報提供にとどまらず、リスク兆候の見極めや適切なエスカレーション判断が求められます。そのため、担当者ごとに判断のばらつきが生じやすく、結果として企業リスクにつながる可能性があります。また、健康被害に関わる情報は迅速かつ正確に収集・報告する必要があり、対応スピードと品質の両立も大きな課題となっています。
こうした背景から、単に受電を担うだけのコールセンターではなく、「専門知識」と「医療リテラシー」を兼ね備えた対応体制の必要性が高まっていると認識しています。
「健康産業に確かな価値を」届ける、EPファーマラインの5大事業
ーーそうした企業の深刻な課題に対して、御社はどのような役割を担っているのでしょうか。事業の全体像を教えてください。
星野様:ヘルスケア業界の急速な変化とニーズの多様化に対応し、当社は単なる業務代行にとどまらず、高付加価値なソリューションの提供を通じて、クライアント企業の課題解決と業界全体の発展に貢献するパートナーとして、「健康産業に確かな価値を」届ける役割を担っています。
具体的には、以下の『5つの主要事業』を展開しています。
- DIサービス-コンタクトサービス
- くすりの相談窓口をはじめとした、医療従事者や一般消費者に対する医薬品情報の提供
- BPOサービス
- 製造販売後調査(PMS)の管理や、医薬品の流通管理、商品資材の作成・レビュー等の包括的支援
- マルチチャネルプロモーションサービス
- 「デジタルツール・コールセンター・人」を組み合わせた効率的なプロモーション支援
- 医療機器サポートサービス
- 各種問合せ対応をおこなうコンタクトセンターサービス、営業職・クリニカルスペシャリストを中心とした人材派遣
- ヘルスケアサポートサービス
- OTC医薬品・サプリメント・健康食品・化粧品の製品情報提供およびカウンセリング(健康相談)
これら5つの専門領域を自在に組み合わせることで、ヘルスケア企業の各領域における課題に対し、一貫性のある支援を実現できる点が当社の強みです。
高度な専門性とリスク管理を両立する『ヘルスケアサポートサービス』の強み
EPファーマラインが提供する『ヘルスケアサポートサービス』は、OTC医薬品・健康食品・サプリメント企業を対象としたサービスです。
医療系有資格者による体制のもと、正確で迅速な問い合わせ対応やカウンセリングを提供しています。24時間365日の対応やBCP(事業継続計画)を踏まえた安定運用だけでなく、返品・キャンセル率の低減を目的としたアウトバウンド施策まで幅広くカバーし、企業の顧客対応を総合的に支援しています。
ここでは、同サービスが持つ具体的な強みと運用の裏側について話を伺いました。
有資格者『7割』が支える強固な運用基盤と、24時間365日のシフト体制
ーー「ヘルスケアサポートサービス」では医療系有資格者が中心とのことですが、全員が有資格者なのでしょうか?また、医薬品の「DI業務(くすり相談窓口)対応」の知見はどのように活かされていますか?
星野様:クライアント企業様が求める要件に合わせるため、1,400名を超える従業員のうち一般のオペレーターも3割ほどおりますが、残り7割は薬剤師や看護師、管理栄養士などの医療系有資格者で構成されています。医療・ヘルスケア領域では問い合わせ一つが重大なリスクに直結するため、有資格者中心の体制を整えています。
このサービスの基盤となっているのが、当社の医薬品DI業務で培った知見です。健康食品やサプリメントの領域でも、用法用量や成分に関する製品の問い合わせ、飲み合わせや既往歴に関する消費者からの個別相談に対し、医療系有資格者が適切に対応しております。健康被害の初期対応においても、症状の重篤度や緊急性を迅速に見極められる点が大きな強みです。
ーー「24時間365日対応」とのことですが夜間も有人対応されているのでしょうか?
星野様:はい、有人で受電対応を行っています。22時までの夜間対応チーム、22時から翌朝9時までの深夜チームなど、チームによるシフト制を敷いて運用しています。
例えば夜間に薬を服用した患者さんが不安を感じた場合、そのタイミングですぐに相談できる窓口があることが重要です。24時間365日対応できる体制を構築することで、時間や曜日を問わず迅速なサポートを提供しています。患者さんの安心につながるだけでなく、クライアント企業様にとっても継続的な顧客支援を実現できる点が大きな強みです。
徹底的なモニタリングで磨く言い回しと、法令遵守の両立
ーー厳しい広告表現規制や法規がある中で、有資格者の方も定期的な研修を受けているのでしょうか?また、『言ってよい範囲』のコントロールや分かりやすい伝え方はどう教育されていますか?
星野様:はい、薬局業務に関わるものなど、有資格者であっても定期的に継続研修を実施しています。法令逸脱を防ぐため、社内ガイドラインやFAQの整備はもちろん、クライアント企業様と綿密に打ち合わせをして「言ってよい範囲」を厳格に設定して運用しています。
その範囲内でどう分かりやすく伝えるかについては、オペレーターが一人前になるまで上席やスーパーバイザーが常に受電をモニタリングしています。実際の対応の後にその都度、「今の言い回しはここが良かった、次はこう変えてみよう」とフィードバックを行い、メンバーそれぞれの特性に合わせた最適な言い回しを徹底的に指導しています。
重篤な健康被害への迅速なエスカレーションフローと導入成果
ーー万が一、副作用や健康被害などの重篤な入電があった場合のリスク管理や、報告(エスカレーション)の体制について教えてください。
星野様:国の基準をベースに、クライアント企業様ごとに細かく定義したリスク分類基準に沿って即座に状況を判定します。高リスクと判断した場合は、薬剤師や看護師が迅速に対応し、以下のような厳格なエスカレーションフローを徹底しています。
※エスカレーションフローは案件や症例の内容、クライアント企業様ごとの運用基準に応じて異なります。
- ステップ1 (判定)
- 有資格者が「いつから服用し、どんな症状がいつ出たか」を的確に一次ヒアリングし、緊急性を見極める。
- ステップ2 (第一報)
- 緊急報告が必要な高リスクと判断した場合、対応記録の作成を待たず、まずはお電話でクライアント企業様へ即時報告を入れる。
- ステップ3 (詳細報告)
- その後、速やかに精緻な詳細報告書を作成し、メール等で正式に送付する。
- ステップ4 (品質担保)
- 作成した対応記録や報告書は、別のメンバーが必ずダブルチェックを行う。
一人に依存せず、組織としてダブルチェックを挟むことで、リスクマネジメントの安全性と品質を高いレベルで担保しています。
ーーサプリメントなどの自社対応に限界を感じている企業が、このサービスを導入することでどのような変化や成果が期待されますか?
星野様:導入前の企業様は「夜間・休日の対応」や「有資格者の確保」に悩まれていることが多いです。本サービスを導入いただくことで、消費者が最もサプリメントを摂取する夜間帯にも安定した有人対応が可能となり、企業の労務負荷を大幅に軽減できます。
また、お電話をされる消費者は何かしらの不安を抱えているものです。有資格者が寄り添う姿勢で現在の健康状態や経過を深掘りして聞くことで、消費者の警戒感や不安を解消できます。この能動的で質の高い接点は、クライアント企業様ブランドに対する信頼度やプレゼンスの向上へとダイレクトに繋がっています。
医療系有資格者を中心とした視点を活かす『商品資材の作成&コンプライアンスレビュー対応』のこだわり
主に製薬・医療機器企業を対象に、商品資材や各種コンテンツについて関連法規や適正広告基準の観点からチェック・改善を行う「資材作成・レビューサポートサービス」。
コンプライアンス遵守を担保しつつ、適切で信頼性の高い情報発信の実現を支援する同サービスについて、そのこだわりを伺いました。
徹底的に誇大表現を排除する、有資格者による「ダブルチェック」
ーーヘルスケア領域では、製品カテゴリごとに異なる規制や業界ガイドラインが存在します。御社のコンプライアンスレビューでは、どのような体制でリスクを判断し、適切な表現へと導いているのでしょうか。
星野様:すべてのコンプライアンスレビューは、薬剤師をはじめとする医療系有資格者が対応しています。関連法規や適正広告基準、各種ガイドラインへの適合性を重点的にチェックし、誇大表現や誤解を招く表現の有無、情報のバランスなどを第三者視点から厳しく審査しています。
また、消費者の適切な製品理解や安全な使用に関わる重要な資材を扱うため、一人に委ねるのではなく、何人かでチェックを挟む「ダブルチェック」の体制を特に強化しています。組織として客観性と精度を高めることで、法令遵守と誇大表現の排除を両立し、製品の適正使用の推進に貢献しています。
委託することで『属人化リスク』を解消し、社内リソースをコア業務へ
ーー資材作成やチェックの体制を自社で維持することに課題を感じている企業が、御社に委託することで得られるメリットや、具体的な業務改善について教えてください。
星野様:資材作成やレビュー体制を自社で維持する場合、関連法規や自主規範への継続的な対応、人材の確保・育成、品質の平準化が大きな課題となります。当社に委託いただくことで、これらの専門性維持に伴う負荷や属人化リスクを軽減し、品質のばらつきを抑えつつ、適正性と客観性を担保した運用を実現します。その結果、社内リソースを他の業務に集中させながら、業務効率の向上とコンプライアンス強化の両立に貢献します。
ヘルスケア業界を取り巻く市場背景と、EPファーマラインのサービス全体像
小規模スタートから段階的な拡張まで柔軟に対応
ーー発注を検討する企業にとって、「自社の規模や予算に合うか」は非常に気になるポイントです。御社では、小規模なスタートから大規模な対応まで、どのように柔軟な体制構築を行っているのでしょうか。
星野様:当社では、企業様の製品特性や入電量、運用時間帯に応じて、最適な体制設計を個別に構築しています。小規模でのスタートの場合には、必要最小限の座席数から立ち上げ、運用状況に応じて段階的に拡張できる柔軟な体制を整えています。
また、入電数の増減や繁閑の波に対しては、複数案件間でのリソース最適化やシフト調整を行うことで、無駄のない効率的な運用を実現しています。加えて、当社では有資格者を含む人材プールと教育体制をあらかじめ整備しているため、急な業務拡大や増員にも迅速に対応することが可能です。
さらに、業務設計やFAQ、エスカレーションフローについてもクライアント企業様ごとに最適化を行い、無理のない安定した運用体制を構築しています。これにより、小規模から大規模まで、品質を維持しながら柔軟かつ持続可能な体制構築を実現しています。
孤独や不安を感じさせない、配属後1年間の「多層的教育・フォローアップ体制」
ーー医療系有資格者が多いとはいえ、常に高いレベルの応対品質を維持し続けるのは容易ではないと思います。御社が完備されている「導入・継続教育訓練体制」や「個々のスキルに応じたフォローアップ」の具体的な仕組みについて詳しく教えてください。
星野様:当社では、入社時の配属前の初期研修に加え、運用開始後も個々のメンバーが不安や孤独感を感じることなくスキル向上を図れるよう、以下のような多層的な教育・フォローアップ体制を完備しています。
また、情報更新に応じてナレッジやFAQを随時アップデートし、全体へ迅速に展開しています。個々の習熟度に応じた追加研修やOJT、有資格者による専門的なフォローアップを組み合わせることで、常に最新かつ高水準の応対品質を維持できる体制を実現しています。
高水準の品質管理と、全社で取り組む徹底したセキュリティ対策
ーーヘルスケア領域の非常にデリケートな情報(健康被害情報や個人情報など)を扱う上で、セキュリティ対策やオペレーションの標準化はどのように行われていますか。
星野様:当社では、応対品質とセキュリティの両立を目的に、標準化された品質管理体制と情報管理体制を構築しています。中でも品質面を特に重視しており、対応モニタリングやKPI管理、定期レビューを通じて業務の可視化を図りながら、継続的な改善を行っています。
また、マニュアルやFAQについても常に最新の内容へ更新し、オペレーターごとの対応のばらつきを防止する運用を徹底しています。これにより、どの担当者でも一定水準以上の応対品質を維持できる環境を整えています。
一方でセキュリティ面においては、ISMS認証に準拠した情報管理ルールのもと、アクセス制御やログ管理を含めた厳格な運用を実施しています。さらに、全スタッフに対する情報セキュリティ教育や定期的な監査、毎月の研修受講と不定期に行われる標的型メール訓練も行っており、意識面・運用面の双方からリスク低減に全社的に取り組んでいます。
これらの取り組みにより、ヘルスケア領域に求められる高水準の品質と安全性を、安定的に担保しています。
まとめ:ヘルスケア企業のベストパートナーとしてEPファーマラインが目指す未来
ーー最後に、今後の展望と、対応品質や体制構築に頭を悩ませているヘルスケア企業の担当者様へメッセージをお願いいたします。
星野様:当社は今後、単なる問い合わせ対応にとどまらず、ヘルスケア企業様の事業価値向上に貢献するパートナーとしての役割をさらに強化していきたいと考えています。規制の強化や消費者ニーズの高度化が進む中で、薬剤師・看護師・管理栄養士といった有資格者による高品質な対応に加え、蓄積された問い合わせデータの活用を組み合わせることで、より付加価値の高いサービス提供を実現してまいります。
特に、問い合わせデータの分析を通じたリスクの早期検知や顧客理解の高度化により、単なるオペレーション支援を超えた、企業様の意思決定支援にも貢献していきたいと考えています。また、AIなどの新技術も積極的に取り入れながら、品質と効率性を両立した次世代型のコンタクトセンターの構築を推進してまいります。
応対品質の維持や体制構築に課題をお持ちの企業様にとって、当社は専門性と運用力の両面からご支援できる存在でありたいと考えています。今後も「安心・安全な顧客接点」を支えるベストパートナーとして、ヘルスケア業界の発展に寄与し続けてまいります。
EPファーマラインは、EPSグループの一員として、医薬品・医療・医療機器・ヘルスケア業界に特化し、「DIサービス -コンタクトセンターサービス-」「BPOサービス」「マルチチャネルプロモーションサービス」「医療機器サポートサービス」「ヘルスケアサポートサービス」の5つの基軸サービスにおいて、 常にお客様のニーズにお応えできるソリューションを開発・提供しています。
| 会社名 | 株式会社EPファーマライン |
|---|---|
| 設立 | 1997年11月 |
| 本社所在地 | 東京都豊島区西池袋3-27-12 池袋ウェストパークビル |
| 電話番号 | 03-5979-8128 |
| 資本金 | 10,000万円 |
| 従業員 | 1,435名 有資格者数1,005名(2026年4月現在) |
| プライバシーマーク | ○ |
| ISMS | ○ |
- 本社 / 池袋
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