業務効率化 繁忙期の救世主!物流BPOで業務効率を大幅アップ

バックオフィスヘルプデスク時事問題業務効率化経理・総務

 
繁忙期の救世主!物流BPOで業務効率を大幅アップ

物流BPOの導入は、繁忙期と閑散期への柔軟な対応・コスト削減・業務品質向上・そしてコア業務への人的リソース集中といった多くのメリットをもたらします。

一方で情報セキュリティリスク・企業ノウハウの蓄積困難といったデメリットが存在するのも事実です。

この記事では、物流BPOの導入メリットとデメリットとその解決方法など詳しく解説し、具体的な導入効果を通じてBPOを成功させるコツを紹介します。

物流BPOを導入するメリット

まずは物流BPOを導入するメリットに関して、以下4つに焦点をあてて解説します。

  1. コストを削減できる
  2. 業務品質を向上できる
  3. 繁忙期・閑散期の対応が柔軟にできる
  4. 人的リソースをコア業務へ集中できる

それぞれ順番に見て行きましょう。

コストを削減できる

物流をBPO化することで、倉庫管理費や人件費のコストダウンが見込めます。

倉庫自体の維持管理費用に加え、配送車両の購入費やメンテナンス費用も削減でき、高額な物流管理システム(WMS)や輸送管理システム(TMS)などの設備投資も不要となります。

また新たなスタッフを採用し、教育・訓練する必要もなく、専門性の高い訓練されたスタッフを即戦力として配置できます。

福利厚生や賞与、退職金、保険料の処理をしないでいいのもBPOの魅力と言って良いでしょう。

業務品質を向上できる

物流に特化したBPO企業には、最新技術と蓄積された専門知識があるので、業務品質の向上が期待できます。

在庫切れや過剰在庫のリスクが低減され、配送スケジュールの最適化により納品遅延リスクを最小限に抑えることが可能です。

高額な設備投資がかかる自動搬送装置も、物流BPOであれば可能なケースもあり、倉庫内作業を軽減させ人的ミスを減少し作業効率の向上が実現します。

また物流BPO企業は、定期的にスタッフに対して最新の物流トレンドやベストプラクティスについてのトレーニングを実施しています。

スタッフのスキルが常に最新の状態に保たれており、競争力のある業務品質を実現できるのも物流BPOの特徴といって良いでしょう。

繁忙期・閑散期の対応が柔軟にできる

物流BPOを導入することで、企業は繁忙期と閑散期の変動に柔軟に対応できるようになります。

繁忙期に臨時スタッフを確保し、閑散期にバイトのシフトを減らすなどの作業が不要になるので、自社の採用活動コストや教育コストを削減することができます。

専門性の高い物流BPOは、変動する需要に対して迅速に対応できる体制を整えており、繁忙期の異なる業種間で人的リソースを調整することが可能です。

物流BPOを導入することで、企業は繁忙期に膨れた人件費を、閑散期で調整できないなどのリスクを回避でき、安定したコスト体制で運用が可能になるのです。

人的リソースをコア業務へ集中できる

物流をBPO化することで、社内の人的リソースをコア業務に集中することができます。

例えば繁忙期でも現場へのヘルプに回したりクレーム対応に追われたりしないので、企業の人的リソースをより積極的な業務拡大に向けることができます。

物流BPOを活用することで、企業は物流業務の運営にかかるリソースを最小限に抑え、本来のコアビジネスに注力することができるのです。

物流BPOを導入するデメリット

次に、物流BPOを導入するデメリットを解説します。

メリットと同じようにデメリットもしっかり把握したうえでBPOの導入を検討してください。

  1. 情報セキュリティ面のリスク
  2. 企業ノウハウの蓄積が困難
  3. 物流業務の標準化の必要性
  4. 柔軟な対応が難しい場合もある

それぞれ順番に見て行きましょう。

情報セキュリティ面のリスク

企業が物流業務を外部業者に委託することで、情報セキュリティ面のリスクが増大する可能性があります。

物流BPOを選ぶ際は、下記の第三者機関から認証を受けているBPO企業を選ぶようにしてください。

  • ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証
  • プライバシーマーク
  • DX認定事業者

第三者機関から認定を受けているBPOを選ぶことで、情報セキュリティに関するリスクを回避できます。

また、万が一顧客情報の流出などの事態に備えて、迅速に行動できる体制を事前に整えておくことも重要といえるでしょう。

企業ノウハウの蓄積が困難

物流BPOを導入することで、企業は自社の物流に関するノウハウや経験の蓄積が困難になるというデメリットがあります。

BPO企業への依存度が高くなりすぎると、企業内部の従業員は物流業務に関する知識や経験を維持・発展させる機会が減少し、将来的に物流業務を自社で遂行する場合に困難が生じる可能性があります。

BPO企業との定期的なコミュニケーションやフィードバックを実施することで、自社の文化を維持でき、ノウハウの蓄積が可能になります。

企業が物流BPOを導入する際には、自社の物流に関するノウハウや経験の喪失がもたらすリスクを十分に理解し、適切な対策を取るようにしましょう。

物流業務の標準化の必要性

物流業務の標準化は、企業が物流BPOを導入する際に欠かせない要素の一つです。

業務プロセスを標準化することで、効率的かつ品質の高い物流サービスを提供することができます。

業務プロセスの標準化は、品質基準を細かく設定することや、プロセスごとのマニュアルを整備することで実現可能です。

マニュアルを整備することで従業員は作業手順を容易に理解し業務の効率化が図れ、品質基準を設定することで顧客満足度の向上に繋げることができます。

柔軟な対応が難しい場合もある

物流BPOを導入する場合、柔軟な対応が難しい場面も存在するので注意が必要です。

多くの場合、物流BPOの契約には一定の期間が定められており、契約期間中は業務内容や料金体系を変更することが難しいため、状況に応じた柔軟な対応が制限される可能性があります。

また、BPO企業が一定の人員しか配置していない場合、急な業務増加やキャンペーンなど特定の要望に対応することが難しいケースがあります。

追加費用で対応可能な場合もありますが、費用対効果を検証し対応すべきかどうかしっかりと見極めましょう。

物流BPOの導入事例

物流BPOのメリットとデメリットが理解できたうえで、ここからは具体的な導入事例を3つ紹介します。

具体例からわかる、BPOの成功理由をぜひ最後までご覧ください。

導入事例1株式会社まんだらけ

課題
  • 中国市場への進出
  • 日本と連携した中国での在庫管理
  • アニメキャラの専門的な翻訳対応
BPOによる取組
  • 品質に関するルール整備を実施
  • 国際配送などの在庫管理システムを構築
  • 自動翻訳の仕組み構築
BPOの成果
  • 日本の在庫管理システムと中国のECシステムの連携に成功
  • 中国のECサイトから「まんだらけ」の商品が購入できるように
  • 在庫管理はBPOに任し販売のみに注力できるように
出典: 株式会社トランスコスモス

リユース販売大手「株式会社まんだらけ」の物流BPO導入事例です。

中国市場需要拡大の背景から、中国ECの最大手プラットフォームである「天猫国際」が2021年よりリユース商品の取り扱いを開始しました。

国内にリユース商品などのコンテンツを持つ「株式会社まんだらけ」と、中国最大のECさいと「アリババ」とパイプのある国内BPO大手「株式会社トランスコスモス」が手を組み、中国のリユース市場への進出を図りました。

トランスコスモスのBPOを活用することで、既存の日本の在庫システムと中国ECのシステムの連動に成功し、課題とされていた自動翻訳にも成功しました。

これにより、株式会社まんだらけは既存のオペレーションを一切変えることなく、またシステム開発コストを押さえた状態で、莫大な中国市場への参入を成し遂げています。

株式会社まんだらけは、在庫管理・ECサイト管理はBPOである株式会社トランスコスモスに任せ、得意分野である「販売」にのみに注力できる体制となりました。

導入事例2家電I社

課題
  • シリアル番号管理ができる商品管理システムが必要になった
  • ECサイトの物流に対応する必要があった
  • ECサイトは増加見込みでそのキャパシティーに対応する必要があった
BPOによる取組
  • 商品のシリアル管理ができるシステム導入
  • BPOの大型センターを利用
  • 在庫や人員の増加
BPOの成果
  • ECサイトにスムーズに対応できた
  • 予定通り大きく出荷件数を伸ばした
  • 満足の行く物流品質を確保できた
出典: 株式会社イー・ロジット

家電I社による物流BPOの導入事例です。

家電I社はECサイトとの物流対応の予定がありましたが、それには全ての商品にシリアル番号をつけ、商品1個ずつを細かく管理する必要がありました。

しかし、既存の倉庫では1つ1つの商品まで管理する綿密な商品管理は難しく、倉庫のキャパシティー不足の問題もありました。

そこで物流BPOに実績のある「株式会社イー・ロジット」にBPOを依頼します。

株式会社イー・ロジットではECの黎明期から通販物流に特化したサービスを提供しており、課題であったシリアル商品管理は、既存のシステムで管理可能になりました。

また株式会社イートジットの大型センターを活用し倉庫のキャパシティー不足も解決しています。

結果、ECとの物流が軌道に乗り、予定通り大きく出荷件数を増やすことに成功しました。

導入事例3株式会社ヤッホーブルーイング

課題
  • 繁忙期・閑散期の差が大きく繁忙期には受注業務で社員が手一杯
  • 人的リソースが受注業務に取られ応品質向上に取り組めない
  • 問題が発生時のルールやマニュアルがなく対応スキルが属人的
BPOによる取組
  • 社内ルールやマニュアルの整備
  • 受注・シュッカデータ作成・請求など中心となる部分をBPO化
  • 他社への導入実績に基づいた改善提案
BPOの成果
  • BPO化により受注業務を省力化でき社員に時間的な余裕が生まれた
  • お客様対応の品質向上に取り組めるようになった
出典: ビーウィズ株式会社

「よなよなエール」「水曜日のネコ」などのクラフトビールを製造・販売し、人気を博している株式会社ヤッホーブルーイングの導入事例です。

通販事業に強みを持ち、自社サイト・楽天市場・Yahoo!などに店を抱えていたが、それぞれ別のオペレーションがあり、属人化が顕著となっていきました。

また売上が10倍となる「父の日」などの繁忙期と閑散期の差が激しく、フレキシブルに人材を増減させることが長野という土地柄もあり困難で、ピークに合わせた人材を確保していました。

そこで、通販事業の経験が豊富・酒類販売業免許を持っている・人材の豊富さなどの理由から「ビーウィズ株式会社」にBPOを依頼します。

受注業務・出荷データ作成・請求業務など、通販事業の中心となる部分をビーウィズに委託した結果、ヤッホーブルーイングの社員には余力が生まれ、今まで手が届かなかったコア業務に専念することができるようになりました。

余力ができたことで社員の精神的な負担も減り、モチベーション向上にも繋がっています。

まとめ自社の目的に合う物流BPOを見つける

コスト削減・物流業務の品質向上・繁忙期と閑散期の柔軟な対応など、物流BPOの導入は企業に多くのメリットをもたらします。

一方で情報セキュリティの課題・企業ノウハウの蓄積が困難・物流業務の標準化の必要性などのデメリットも存在します。

これらのメリットとデメリットを把握し、適切なBPO企業を戦略的に導入することが重要です。

導入事例からも分かるように、物流BPOは企業の課題解決に大いに役立ち、業務効率化と競争力向上に貢献します。

この記事を参考に、ぜひ自社の目的に合う物流BPOを見つけてください。

TOP