BPOが従業員のスキルアップに繋がる理由
BPOの活用には、コスト削減・業務効率化といった恩恵があります。また、導入のゴールを見据え効果的にBPOを活用することにより、社員のスキルアップを実現することも可能です。ここからは、BPOが社員のスキルアップに繋がる理由を紹介します。
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単純業務から解放される
BPOを活用することにより、今まで発生していた単純作業から解放されます。例えば、勤怠管理や給与計算などの人事総務部門の業務、そして請求書の発行やデータ入力などの経理・事務の業務はさまざまな企業で発生しています。
しかし、これらの業務に時間を割いたとしても、企業として売上が増えるわけではありません。また、従業員数が少ないベンチャー企業であれば、営業社員が兼任するケースもあります。
そこで、BPOを導入し毎月発生する固定業務を外注することで、空いた時間を別の業務に活用しやすくなります。
例えば、売上アップに繋がる戦略を企画したり、知識を身につけるために研修を実施したりすることで、従業員のスキルアップに繋がる期待が持てます。
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コア業務に関与できる
BPO導入により、事業の根幹であるコア業務に関与しやすくなります。例えば、営業社員の場合は売上に繋がる商談など直接的な活動だけでなく、見積書・契約書などの書類作成をしなければいけないケースは往々にあり、企業によっては在庫管理や発注業務、さらにはカスタマーセンターのようなアフターフォローまで任されることもあるでしょう。
仮に、このようなノンコア業務が勤務時間全体の2分の1を占める場合、BPO導入で作業の負担がなくなれば単純に売上へ繋がる活動時間が2倍に増えます。その結果として、売上アップが期待できるだけでなく経験を積めるため、従業員のスキルアップに繋がりやすいのです。
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外部・内部業務のノウハウを蓄積できる
BPO導入によりコア業務に割ける時間が増えることで、社内のノウハウを蓄積しやすくなります。これらの知見は企業にとって重要な資産であるため、有効活用することで事業拡大を図りやすくなるでしょう。
また、組織全体で共有することにより、業務効率化に大きく貢献するケースも珍しくありません。他にも、活用するBPO事業者によっては今まで社内では生まれなかった発想や手法といった、新しい知識を得られる可能性もあります。これらの知識やノウハウを取り入れることで、従業員のスキルアップに繋がるでしょう。
BPOによるスキルアップで従業員にもたらすメリット
BPOにより従業員は定型業務や雑務から解放されてコア業務に打ち込めるため、将来への計画を立てやすくなり、かつスキルアップも期待できます。そして、その成果が会社から評価されることで、昇給・昇進を実現しやすくなります。
例えば、マーケティング職であれば実績と成果を残すことにより、経営戦略部門など企業の中枢部門への配属が可能となるでしょう。
また、BPOの導入によって業務効率化ができ、モチベーションアップに繋がります。一般的に、事務作業のような定型業務・非コア業務の占める割合が大きい場合でも売上は増えず、同じ時間をかけて仕事をしても会社から評価されるわけではありません。
そのため、多くの従業員はコア業務に集中できない環境を煩わしく感じる傾向にあります。 そこで、BPOを導入することで業務効率化が実現し、非コア業務の割合が少なくなるとコア業務に集中できることからモチベーションアップに繋がる期待がもてます。
そして、コア業務に集中でき自身のリソースを割きやすい環境の構築により、従業員の定着率向上が期待できます。従業員が会社に求めるものはさまざまですが、実績や評価を求める人にとっては魅力的な環境です。
BPOにより従業員が働きやすい環境を実現することで、退職者を減らし定着率の向上が期待できるでしょう。その結果、企業として人材育成が進み、全体の底上げに繋がります。
BPO導入によるキャリアパス運用のコツ
BPO導入にはメリットがあるものの、それだけで従業員のスキルアップには繋がりません。ここからは、BPO導入によるキャリアパス運用のコツについて紹介します。
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従業員の適性を考慮する
従業員のキャリアパスを考える際には、その人の適性と希望を考慮する必要があります。例えば、管理職のようなリーダータイプの社員もいれば、専門的な技能を磨き追求したいプロフェッショナルタイプもいるでしょう。
また、自身でキャリアプランを考えているケースもあるため、企業側が従業員にキャリアパスを一方的に押し付けると本人の希望と乖離が生じ、モチベーションの低下に繋がる恐れがあります。 場合によっては、退職して会社を離れる決断をする可能性も否めません。
企業としてのやり方を貫き通すのではなく、きちんと従業員に寄り添ったキャリアパス形成が人材を育成するうえで重要になります。
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事例を交えてBPO導入後をイメージする
従業員のキャリアパスのためにBPO活用を検討する場合、導入後をより具体的にイメージできなければなりません。BPO事業者へ業務を発注しても、期待していた結果と異なる場合があります。
そのため、BPO事業者へ発注する前に今までの事例などを共有してもらい、導入後を具体的に思い描けるようにしておきましょう。
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実績・専門性のあるBPO事業者を選ぶ
BPO事業者を選定する際は、いかに実績や専門性が充実しているかを確認しなければなりません。仮に品質の悪いBPO事業者に依頼してしまった場合、修正工数が発生し従来よりも業務効率が低下する恐れがあります。
他にも、コミュニケーションコストが余計に発生するなど、かえって手を煩わせることになりかねません。従業員のキャリアパスを考えるためには、業務効率の向上が必須条件です。
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定期的にキャリアパスの見直しをする
従業員のキャリアパスを実現するためには、定期的に見直しの機会を設けることも有効です。希望をヒアリングしつつ、実現したいキャリアパスに必要なものを企業から提供することが重要になります。
業種によっては昇進するうえで資格が必要なものもあるため、どのタイミングで取得すれば良いかを企業側が提示することで、従業員はより行動に移しやすくなるでしょう。
従業員のスキルアップ・キャリアパス形成に繋がるBPO導入事例
最後に、従業員のスキルアップ・キャリアパス形成に繋がるBPO導入事例を紹介します。
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営業事務
営業活動を行っている企業であれば、それに伴う事務作業が発生します。この営業事務をBPOによって外注することで、営業部門のリソースを拡大しやすくなるでしょう。
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総務・庶務
BPO導入により毎月発生している固定の定型業務を委託できるため、社員がより快適に働くための職場づくりに割ける時間が増えます。例えば、残業時間を減らすためのアイデアや業務効率化を考えるなど、新しいルール作りを仕事にすることで、会社の成長を担うことができます。
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人事・労務
人事・労務部門では従業員の勤怠管理や給与計算、労務関連の手続きなどが発生しますが、定型業務を省略できると各部門における従業員のスキルアップを図る研修を手配したり、より会社に貢献できる優秀な人材を採用したりできるでしょう。なお、これらの業務は従業員数に比例して多くなるため、BPOによる恩恵を受けやすいです。
まとめ
この記事では、BPO導入によって社員のスキルアップに繋がる理由などを紹介しました。BPOにより従業員がコア業務に集中できるようになると、経験や実績を積めるためスキルアップに繋がりやすいです。
ただし、導入するだけではスキルアップに繋がらないため、明確な目的をもったうえで企業としても従業員にあったフォローを実施する必要があります。
- 業務効率化を考える上で、まずノンコア業務から見直そう!