BPO BPOの市場規模は?サービスの需要動向と将来性を徹底解説!!

BPO将来性市場規模

 
BPOの市場規模は?サービスの需要動向と将来性を徹底解説!!

BPO(Business Process Outsourcing)とは、企業が自社業務を外部に委託する事業形態です。

この記事では、BPOの国内における市場規模サービス需要動向将来性、そして注意点について詳しく解説します。

BPOの市場規模(国内)

各種市場調査の国内大手である(株)矢野経済研究所の調査結果(2023年11月14日リリース)によれば、2022年度のBPO市場規模は前年度比3.0%増の4兆7,021億円であり、その内訳は次のとおりとなっています。

IT系(システム運用管理業務)BPO市場規模:2兆7,829億円(前年度比3.5%増)

非IT系(その他の業務)BPO市場規模:1兆9,191億9,000万円(同2.4%増)

国内BPO市場は2023年度もプラス成長と予測されており、その背景としては企業におけるDX(*)推進ニーズが継続拡大し、「フルアウトソーシング」への需要と相まって、当該市場が安定的に推移する状況が挙げられています。

(*)DX(デジタルトランスフォーメーション):企業がAIやIoT、ビッグデータといった各種の最新デジタル技術を活用し、業務フロー改善や新規ビジネスモデル創出、またレガシーシステムからの脱却や企業風土改革を目指す動き。

BPO市場(国内)の定義と商品・サービス

矢野経済研究所によるBPO市場(国内)の定義と、同市場に含まれる商品・サービスは次のとおりです。

BPO市場の定義

同調査におけるBPO市場とは、企業が自社内で対応するシステム運用管理業務、コールセンター関連業務、間接部門系業務(人事、福利厚生、総務、経理等)、直接部門系業務(購買・調達、営業、コア部門単純業務、業界固有業務等)といった各種業務を、BPO事業者が業務委託を受けて代行するサービスを指します。

ただし、従来から外部に委託することが一般的となっている業務(税務、物流、情報システム開発、ビルメンテナンスなど専門的事業分野)は対象外となっています。

市場に含まれる商品・サービス

BPO市場に含まれる商品・サービスとしては次のものが挙げられます。

  • コンタクトセンター
  • ヘルプデスク
  • フルフィルメント
  • 人事代行
  • 福利厚生代行
  • 総務・経理代行
  • 購買・調達代行
  • 営業代行
  • コア部門単純業務代行
  • 業界固有業務代行 等

BPOサービスの導入背景と需要動向

上記の市場調査分析結果からも明らかなように、BPO業界の市場規模は年々増加傾向にあります。その主な背景としては次の点が挙げられます

構造的な社会問題としての「少子高齢化」に伴う人材不足

日本は多くの先進諸国と同様、少子高齢化という深刻な問題を抱えています。このため、労働人口は減少しつつあり、その傾向はますます高まっています。

民間シンクタンクであるパーソル総合研究所の推計によれば、2030年には7,073万人の労働需要に対して6,429万人の労働力しか供給できず、644万人もの人材不足が発生するとみられています。

各種事業分野で先進的な専門知識が求められる状況

さらに、上述したとおり企業のDX化や経営環境のグローバル化によって、IT技術の高度で専門的な知識やスキルがますます求められるようになったことも、BPOの市場規模拡大と大きく関連しています。

DX化により、企業はデジタル技術を活かして業務プロセスを変革し、その結果サービスは効率化され、人々の日常生活が豊かになると期待されます。

なお、IT系BPOは非IT系BPOと比較すれば専門性の高い業務が多いため、BPOの増加率は一層高くなると考えられます。

こうした状況に加え、拡大したリモートワークなどの働き方改革による業務の見直しも、BPO拡大の背景のひとつとして挙げられるでしょう。

BPOの未来(将来性)

人材不足と働き方改革の影響

少子高齢化に伴う人材不足や、働き方改革の影響などによって、BPOの市場規模は今後も増加すると推定されます

「令和5年版高齢社会白書」(内閣府データ)によれば、日本の総人口は令和52年に8,700万人にまで減少すると推測されています。

65歳以上の高齢人口は増加傾向が続き、令和52年には全国民の2.6人に1人が65歳以上であり、約4人に1人が75歳以上になると推計されます。

今後も少子高齢化が改善される見通しはなく、多くの業界で人材不足が大きな課題となる可能性が高い状況です。

一方、2012年の労働契約法改正によって無期労働契約への転換が規定され、働き方改革によって時間外労働の上限が設けられました。

コロナ禍による就労者のマインド変化も見落とせないポイントです。

こうした状況下、企業における「ノンコア業務(直接利益を生まない業務)」や、専門業務を外部へ委託するBPOは、企業が業務効率化を図る上でますます重要となってきます。

BPO活用に際しての注意点

今後ますます発展するBPO業務ですが、企業がBPO受託事業者を活用する際の主な注意点について解説します。

委託する業務範囲と高度な専門性の確認

BPO受託事業者によって、おのずと対応可能な範囲は異なります。このため、自社が委託したい業務内容に対して的確に対応できる事業者を選定することが大切です。

また、業務範囲に加え、業務内容に精通した事業者を選ぶこともポイントとなります。委託したい業務に精通した受託事業者に依頼することにより、業務改善や品質向上といった導入効果が向上します。

セキュリティ対策

BPOにより、顧客情報をはじめとする重要な内部資料やデータを受託事業者に提供する必要があります。その際、情報漏洩が絶対起こらないよう十分なセキュリティ対策を講じた受託事業者を選定することが肝要です。

コスト

BPO活用によるメリットの一方、一定の導入コストが必要となるため「費用対効果」を考慮することも重要です。自社内製によるコストと外部委託のコストを比較検討し、適正な費用かどうか見極めることがポイントとなります。

実績と評価

BPO受託事業者の実績や評価を確認することもポイントです。実績が豊富で評価の高い事業者であれば、安心して委託できます。公式ホームページその他で事業者情報を確認し、信頼できる受託事業者を選定すべきです。

まとめ

BPOの国内における市場規模やサービス需要動向と将来性、そして導入にあたっての注意点について詳しく解説しました。

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