KONOTEとは?

BPOとは

BPOとは、Business Process Outsourcing(ビジネスプロセスアウトソーシング)の略称で、企業の業務プロセスを外部に委託することを指します。一般的に、コールセンターやデータ入力、給与計算など、ある一定のルールに基づいて行われる比較的単純な業務が対象となります。委託先のBPO企業が業務を代行することで、企業側は業務の効率化やコスト削減を図ることができます。BPOの代表的な委託先国は、特にアジアの国々で盛んに成長しており、フィリピン、インド、マレーシア、中国などの国々が世界的に有名です。

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BPOが生まれた背景

BPOが生まれた背景には、グローバル化や情報技術の発展が大きく関係しています。1990年代以降、グローバル化が進展し、多くの企業が海外に進出していきました。しかし、海外進出には多大なコストやリスクが伴い、特に中小企業では負担が大きかったため、海外進出をためらう企業もありました。そこで、多くの企業がBPOを利用することで、海外進出に伴うコストやリスクを抑えることができるようになります。BPOを利用することで、海外に支社や拠点を構えることなく、海外での業務を効率的に行うことができるようになったのです。

また、情報技術の発展により、業務の自動化やネットワーク化が進み、グローバルな委託が容易になりました。BPOを利用することで、企業は自社で業務を行うことにかかるコストを削減することができます。このように、グローバル化や情報技術の発展がBPOの成長に大きく貢献し、現在では自社のリソース不足や、ノウハウがない場合に有効な手段として、多くの企業がBPOを利用して業務を効率化しています。

BPOの市場規模と未来

世界のBPO市場規模は2022年に2619億米ドルと評価され、2023年から2030年にかけて最大9.4%の年平均成長率 (CAGR) で拡大すると予測されています。特にアジア太平洋地域のBPO市場は急速に拡大を続けており、経済産業省の報告によるとフィリピンにおける就業人口の58%がBPO関連事業に携わっているというデータもあります。

この拡大傾向はアウトソーシングの需要が増えていることや、テクノロジーの進化によってBPOサービスの提供が容易になっていることなどが理由とされています。また、新型コロナウイルスの流行によって、企業が業務プロセスのオフショア化やオンショア化に興味を持つようになったことも市場拡大につながっています。

今後のBPO市場の展望としては、デジタルトランスフォーメーションに伴い、AIや自動化などの技術を活用した業務効率化や高度なアウトソーシングニーズが増加することが予想されます。

  1. AIや自動化技術の導入による効率化の進展

    AIや自動化技術を導入することによって、より高度な業務効率化が期待されています。例えば、データ入力や顧客対応などのルーチンワークを自動化することで、作業時間やコストの削減が可能となります。

  2. クラウド化による柔軟性の向上

    クラウド化によって、BPO業務をオンライン上で行うことが可能となり、場所や時間にとらわれず、柔軟な業務フローが実現できるようになります。また、必要な時に必要な分だけサービスを利用できるため、コスト削減にもつながるとされています。

  3. 新興国市場の成長

    BPO市場の成長は、特に新興国市場において期待されています。新興国では、英語やITスキルを持った人材が多く、低コストでのアウトソーシングが可能となっています。

この先もBPO業界は技術革新や市場環境の変化に対応しながら、ビジネスプロセスのアウトソーシングを通じて、顧客企業のビジネス成長を支援していくことが求められています。

アウトソーシングとの違い

BPOとアウトソーシングは、共に業務を外部に委託するビジネスモデルですが、その違いは業務の範囲にあります。アウトソーシングは、主に生産性の向上やコスト削減のために製造工程などの非コア業務を外部に委託することを指します。一方、BPOはビジネスプロセスを包括的に委託することで、企業のコア業務に集中することを可能にします

具体的には、BPOは企業の業務プロセスを完全に委託し、例えば、会計業務、人事・労務管理、顧客サポート、データ処理などのバックオフィス業務を中心に取り扱います。一方、アウトソーシングは製造業、物流業、コールセンター業務などの単純に分業化されるものが多いです。

BPOは、労働力コストの削減、専門知識の活用、および柔軟性の向上など、企業がビジネスプロセスを改善するために利用されます。アウトソーシングは、主に低コストの労働力や設備を活用して、効率的な製造や物流を実現するために利用されます。

簡単に言うと、アウトソーシングは単純な業務を委託するのに対し、BPOはより複雑な業務を包括的に委託することで、企業のコア業務に注力するためのソリューションになります。

BPOのメリットとデメリット

BPOのメリット

  1. コスト削減

    BPOを利用することで、業務を自社で行う場合に比べて、人件費や設備投資などのコストが大幅に削減できます。

  2. 業務効率化

    BPO企業は、業務プロセスの改善や効率化に長けており、顧客企業の業務プロセスを把握し、改善・効率化を図ることができます。

  3. 高品質なサービス提供

    BPO企業は自社のコアビジネスとして業務を行っており、多くの場合、高い専門知識やノウハウを持っています。よって高品質なサービスを提供することができるようになり、業務の増減にも柔軟に対応することができます。

  4. 企業戦略の集中化

    BPOを利用することで、企業は自社のコアビジネスに注力することができ、企業戦略の集中化が図れます。

BPOのデメリット

  1. サービス品質の低下

    アウトソーシング先の業者のスキルや品質管理が十分でない場合、業務品質が低下することがあります。また、言語や文化の違いによって、コミュニケーションのミスが生じることもあります。

  2. セキュリティ上のリスク

    アウトソーシング先が取り扱うデータには、機密性の高いものが含まれる場合があります。そのため、データ漏洩や不正アクセスといったリスクがあることに注意が必要です。

  3. コストの増加

    アウトソーシングには初期費用や契約違約金、維持費用などが発生するため、コストが増加することがあります。また、アウトソーシング先の地理的な位置によって、物流コストが増加することもあります。

  4. 業務の制御の難しさ

    アウトソーシングによって、業務の一部が外部の企業に委託されるため、自社で業務をコントロールすることが難しくなります。業務の進捗や品質管理などを適切に監視することが必要です。

BPOに適した業務と領域

BPOは、様々な業種・業界で利用されていますが、特に以下のような業務・領域においてBPOの導入が適しているとされています。

  1. バックオフィス業務

    企業のバックオフィス業務は、データ入力、請求書処理、購買管理、人事管理など、多岐にわたります。これらの業務は、単純な作業やルーティンワークが多く、労働力不足や品質の低下などの問題があります。そこで、BPOを利用することで、これらの業務を専門的に処理することができ、業務効率化と品質の向上を図ることができます。

  2. カスタマーサポート

    顧客からの問い合わせやクレーム対応は、企業にとって重要な業務の一つですが、24時間対応することは難しく、コストもかかります。BPOを利用することで、24時間体制での対応が可能となり、顧客満足度の向上が期待できます。

  3. 人事・給与業務

    人事・給与業務は法律や規則の変更によって常に変化していくため、企業内での管理は困難です。また、これらの業務はプライバシー保護などの問題もあります。BPOを利用することで、専門知識を持つ人材に業務を委託することができ、人事・給与業務の効率化と品質の向上が期待できます。

  4. IT関連業務

    IT関連業務は企業の業務に欠かせないものですが、運用や保守などの業務は専門的な知識が必要です。また、人材の確保や育成には多大なコストがかかります。BPOを利用することで、ITに関する業務を専門的に処理することができ、コスト削減と品質向上が期待できます。

  5. 語学業務

    グローバルビジネスが進む現在、多言語対応が求められる業務も増えています。例えば、多言語カスタマーサポート、翻訳・通訳業などをBPO化することで顧客満足度の向上が期待できます。

BPO業者の選び方について

BPO業者の選び方として、まず実績や評判を調べましょう。BPO業務は、企業の中核業務を任せる場合が多いため、業者の実績や評判が重要です。業者のウェブサイトやSNS、業界専門誌などから調べてみましょう。
次に、ビジネスモデルを確認することも必要です。BPO業者は、サービス提供モデルによって得意な分野が異なります。事前に自社の課題や目的にあった業者を選ぶことが重要です。その上で、プロセスの透明性を確認してください。BPO業務において、プロセスの透明性は重要なポイントです。どのような作業を行っているのか、どのように品質管理を行っているのかを問い合せたり、確認しておきましょう。
最後に、サポート体制を確認することも忘れないでください。万が一にトラブルや問題が起きた場合に適切なサポートを受けられるかどうかは重要です。

まとめ

前述のようにBPOを活用することで、企業が自社で行うよりも高い品質と効率的な業務処理が可能になることはお分かり頂けたかと思います。また、コスト削減や、業務プロセスの最適化が期待でき、企業のコアビジネスに集中することができます。コロナ後にますます注目されるようになったBPO業界ですが、業界全体としてもさらに高度なサービス提供が求められる中、BPO企業が付加価値の高いサービスを提供することが求められてきています。これからも当メディアを通してBPOの最新情報やトレンドを発信していきますので、よろしくお願いいたします。

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